モヤモヤ血管

モヤモヤ血管とは

モヤモヤ血管とは、特に痛みの原因部位に生じる異常な血管のことを指します。
これらの血管は、五十肩、腰痛、膝の痛み、肩こりなど、治りにくい関節の痛みに関連していることが多いとされています。
モヤモヤ血管は、いびつな構造であり、その存在が痛みの原因になることが研究で確認されています。

痛みの原因は?

痛みが発生する主な理由は、血管と神経が一緒に増えることにあります。
通常、人体のルールとして血管が増えるとそれと一緒に伴走して神経も増えます。
この新しく増えた毛細血管は元々存在している血管とは違い即席的に作られたもののために脆弱であり、そのため痛み物質(炎症性サイトカインなど)が放出され、一緒にできてしまった神経に刺激が入りいつまでも痛みが続くことがあります。

モヤモヤ血管セルフチェック

  • 押すと痛い
  • 夜寝ているときに痛くなる
  • じっとしているときに痛くなる
  • 『ズキズキ・ジンジン・チクチク・ズーン』とする痛み
  • お風呂に入ると痛くなるor痛みが良くなる
  • お酒を飲むと痛くなる
  • 気圧や気温の変化で痛くなる
  • 運動後に痛みが強くなる

モヤモヤ血管による痛み

  • 3ヶ月以上の長引く痛み(慢性疼痛)の方
  • 『レントゲンでは異常ない』となっているが、痛みが改善しない方
  • 手術を含む治療を他院で受けたが、痛みが残っている方
  • 医療機関で『原因不明の痛み』と言われている方
  • 鍼・マッサージ・リハビリテーションなどに通い続けても痛みがとれない方。

モヤモヤ血管の対象疾患

手の疾患

へバーデン結節、ブシャール結節、ばね指(腱鞘炎)、ドケルバン病、CM関節症、手根管症候群、手関節捻挫後の痛み、手指の術後の痛み、TFCC損傷 など

肩の疾患

肩関節周囲炎、五十肩、四十肩、肩こり など

肘の疾患

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)、野球肘など

足の疾患

足底腱膜炎、外反母趾、アキレス腱炎、足関節捻挫後の痛み、人工膝関節後の痛みなど

モヤモヤ血管の治療方法

運動器カテーテル治療

カテーテルを使って「モヤモヤ血管」を減らします。
『モヤモヤ血管」が無くなれば、痛みもなくなるという理屈です。

手首(肘関節)または足の付け根からカテーテルを挿入し、 モヤモヤ血管が集中している現場まで伸ばしていきます。
モヤモヤ血管を選択し、抗生剤を投与してモヤモヤ血管のみを塞栓します。

※カテーテルが血管の中を動いても血管の内側には神経がないので疼痛を感じることはありません。

使用する薬剤について

「イミペネム・シラスタチン」という抗生物質と、医療用ゼラチン製剤を使用します。

イミペネム・シラスタチンは日本では20年以上前から抗生物質として認可、使用されています。
もともとは細菌に対して効果のあるこの薬剤ですが、ある特徴からこの薬が「もやもや血管」を詰めるのに効果的と考えられています。それは「水に溶けにくい」というものです。少量の水の中では溶けきらず、微小な粒子となります。この粒子の大きさが「もやもや血管」のサイズに適しているため、治療に用いられています。粒子は次第に溶けていきますが、「もやもや血管」は通常の血管と違い、脆い血管ですので一時的に詰めるだけで十分減らすことができます。また、万が一正常な血管に薬が流れてしまっても、その特徴から体の組織に影響を与える可能性が非常に低く、安全性の高い治療と言えます。

症例

治療前(モヤモヤ血管あり)
治療後(モヤモヤ血管減少)

治療費用について

※追記予定

担当医について

※追記予定